クウェートの公用語は?英語は通じる?|留学経験者が語る実情

公開日:2026年4月11日 | 更新日:2026年7月27日 | カテゴリー:学習ガイド

こんにちは。アラビア語クウェート方言講師のサナドです。 「クウェートの公用語は?」「英語は通じるの?」——旅行や仕事で行く前に、多くの人が気にするところだと思います。

結論から言うと、公用語はアラビア語、でも日常会話はクウェート方言、そして英語もかなり通じます。 旅行や短期出張なら英語だけでもほぼ困りません。一方で、駐在や長期滞在で現地の輪に入りたいなら方言が要ります。 この3つが現地でどう使い分けられているのかを、留学中に肌で感じたことを交えて解説します。

目次
  1. クウェートの公用語はアラビア語
  2. 英語はどれくらい通じる?
  3. 現地の人は3つの言語を使い分けている
  4. 体験談:私に方言で話してくれなかった友人たち
  5. これからクウェートへ行く人はどうすべきか
  6. よくある質問

クウェートの公用語はアラビア語

クウェートの公用語はアラビア語です。ただし、ここに落とし穴があります。

公文書・新聞・ニュースで使われるのは標準アラビア語(フスハー)ですが、 人々が家庭や街なかで実際に話しているのはクウェート方言(アーンミーヤ)です。 このふたつは同じ「アラビア語」でありながら、語彙も発音も文法も違います。 詳しくはアラビア語の話し言葉と書き言葉の違いにまとめました。

つまり「クウェートの公用語はアラビア語」という答えは正しいのですが、 それだけを頼りに教科書のアラビア語(フスハー)を勉強していくと、街の会話は聞き取れません。

英語はどれくらい通じる?

かなり通じます。 クウェートは人口に占める外国人労働者の割合がとても高く、 ショッピングモール、ホテル、病院、レストランといった都市部のサービス業では、英語が日常的な共通語になっています。 店員さんがアラビア語話者でないことも珍しくありません。

ですから、旅行や短期の出張なら英語だけでも大きな不自由はないというのが実感です。

ただし——ここが本題です。 英語で足りてしまうからこそ、アラビア語を話せる日本人は強烈に印象に残ります。 片言でもクウェート方言で返した瞬間、相手の表情が変わる。これは何度も経験しました。

現地の人は3つの言語を使い分けている

クウェートで感じたことのひとつに、私たち外国人に対して使う言語が人によって違うということがあります。

言語 使われる相手・場面
クウェート方言 家族・友人・同郷のアラブ人どうし
フスハー(標準アラビア語) 公的な場、そして外国人のアラビア語学習者
英語 外国人労働者、ビジネス、サービス業

注目してほしいのが真ん中です。 アラビア語を学んでいる外国人に対して、彼らはあえてフスハーに切り替えることがあるのです。 親切心からくる配慮なのですが、学習者にとってはこれが少し切ない。

体験談:私に方言で話してくれなかった友人たち

Rさんはとても仲のいい友人です。比較的長い付き合いで、毎回いろいろと親切にしていただきました。年齢は30代前半の男性です。

彼は私とコミュニケーションを取るとき、基本は英語で、たまにアラビア語の書き言葉を使います。 私の印象では、この人は本当に私たちとの会話では話し言葉を使わない

私は正直、話し言葉で接してほしかったという気持ちもありました。 よそよそしいというか、仰々しいというか、 何より私は彼らの話し言葉を愛しているのです。 聞いているだけで楽しい。

もちろん彼は、他のアラブ人と話すときは話し言葉を使います。 その場で言語の切り替えが起きているわけです。

Sさんも30代男性。彼もかなりフスハー寄りでした。 Rさんほど英語を話さないぶん、フスハーの割合はさらに高かった印象があります。 Aさんも同じく30代男性で、やはりフスハーを多く使う人でした。

しかし彼らが現地の人どうしで話すときは、ばりばりのクウェート方言になる。 そのギャップが、私はとても好きでした。

クウェートに来るまで、私はフスハーこそが唯一のコミュニケーション用アラビア語だと思い、必死で勉強してきました。 しかし現地に来て衝撃を受け、そこから自分の中でフスハーは後退し、方言へ大きく傾いていきました。

「お前は俺よりもクウェイティだ」

Rさんはそう言って笑ってくれました。とても人情深い人でした。 方言で話せるようになるというのは、そういう距離の縮まり方をするということです。

これからクウェートへ行く人はどうすべきか

旅行・短期出張 → 英語で足りる。ただし挨拶だけでも方言を覚えると印象が段違い
駐在・長期滞在 → クウェート方言。フスハーだけでは現地の輪に入れない
ニュースや文書を読む必要がある → フスハーも必要

まず覚えるなら、インシャアッラーなどの日常フレーズと、 クウェート方言の単語集にある基本語からがおすすめです。 そもそもどの方言を学ぶか迷っている方はアラビア語の方言はどれを学ぶべき?を、 独学での進め方はアラビア語は独学できる?勉強法とおすすめの始め方をどうぞ。

よくある質問

Q. クウェートの公用語は何ですか?

公用語はアラビア語です。ただし公文書や報道で使われるのは標準アラビア語(フスハー)で、 人々が日常会話で実際に話しているのはクウェート方言です。

Q. クウェートで英語は通じますか?

かなり通じます。外国人労働者の割合が高く、モール・ホテル・病院・レストランなど都市部のサービス業では英語が日常的に使われています。 旅行や短期出張であれば英語だけでも大きな不自由はありません。

Q. フスハーで話しかけても通じますか?

通じます。学校教育で全員がフスハーを学ぶため、意味は理解してもらえます。 ただし日常会話としては硬く、よそよそしい印象を与えます。距離を縮めたいなら方言のほうが効果的です。

Q. クウェート方言はほかの湾岸諸国でも通じますか?

サウジアラビア・バーレーン・カタール・UAEなどの湾岸方言とは共通点が多く、かなりの部分が通じます。 一方でエジプト方言やモロッコ方言とは差が大きくなります。